学会発表(口頭発表・ポスター)

基本情報

氏名 坂本 俊彦
氏名(カナ) サカモト トシヒコ
氏名(英語) SAKAMOTO Toshihiko

タイトル

中山間地域における住民自治組織による高齢者見守り活動の可能性―自治会を実施主体とする見守り活動の成立・継続・展望―

会議名

 

主催者(学会名等)

日本地域福祉学会第38回大会

開催場所

文京学院大学

開催年月日

2024/06/15-16

単独・共同の区分

単独

発表者

坂本俊彦

記述言語

日本語

会議種別

ポスター発表

概要

1研究目的:中山間地域A県B市C地区において10年以上に亘り実施されている「高齢者見守り活動」に焦点をあて、この活動に関する地域住民の意識分析を通して自治会を実施主体とする高齢者見守り活動の特長と課題を整理し、住民自治組織による高齢者見守り活動の可能性を検討した。2研究方法:C地区住民自治組織との協議を踏まえ確定した調査票をもとに、2024年1月~2月にC地区在住20歳以上男女600名対象質問紙調査を行い、IBM-SPSS-BASE(Ver.27)を用いて集計分析。対象者抽出は選挙人名簿抄本を標本台帳とする系統無作為抽出法、調査票配布回収は郵送法。有効回答数275、有効回収率45.8%。2014年12月実施調査結果との経年比較分析。3倫理的配慮:山口県立大学生命倫理委員会承認の下に実施(承認番号2023-31)。4結果:(1)活動成立条件:住民の活動意欲には温度差があったが、住民自治組織リーダー層が速やかに対策案を検討・提示し、これを当時の自治会長が積極的に受け止め住民に対して集落の会合等で繰り返し丁寧に説明した結果、住民の再発防止意欲が高まりをみせ活動の成立をみた。(2)活動継続条件:住民の活動負担感は一定程度あるが、住民自治組織が月1回発行する地域情報紙による活動情報提供と意味づけにより住民の協力意識が維持され、更に自治会に対する住民自治組織からの適切な支援により10年以上に亘り活動継続。(3)活動期待:活動評価住民割合95.2%、0.6ポイント減少。(4)活動経験:活動経験住民割合59.6%、2.7ポイント減少。(5)活動意欲:活動意欲住民割合86.0%、3.7ポイント減少。5考察:C地区では、(1)(2)の結果から自治会を構成組織とする住民自治組織のリーダーシップと適切な支援により活動が成立し10年以上に亘り継続的に実施され、(3)の結果から活動に対する住民の期待は9割を超える高い割合で維持されているが、(4)(5)等の結果から住民自身の活動経験割合・活動意欲割合はいずれも減少傾向にある。人口減少と高齢化がすすみ担い手の減少が不可避ななかで活動の更なる継続を図るためには、住民自治組織・自治会による活動の主体性を尊重しながらも、行政ならびに社会福祉協議会等の専門機関による適切な支援が求められている。※本報告は、JSPS文部科学省科学研究費補助金助成事業基盤研究C「地方中小自治体における高齢者在宅生活支援システム構築方法に関する比較事例研究」(課題番号19K02241)の助成を受け実施。