本研究の目的は,スーパーバイジーが直属の上司からどの程度スーパービジョンを受けているかに焦点を当て,スーパービジョンの3つの機能はどのようにスーパーバイジーによって受け止められているかを検証することである。スーパービジョンの測定にはFukuyama(1998)が開発した18項目を使用した。本調査は介護老人福祉施設に勤務する職員356名を対象に分析を行った。一般職のほうが管理職よりも管理的スーパービジョンを受けている頻度が有意に多かった。因子分析の結果,理論通りに支持的,管理的,教育的の3因子を抽出できた。しかし,教育的因子には,管理的機能との混合がみられ,支持的因子においても,管理的機能との混合がみられた。このことは,実践現場によるスーパービジョンの3類型の限界を示唆している。今後,スーパービジョン機能の配分率を意識してスーパービジョンを実施しているか検討することが重要となろう。(著者抄録)