本研究の目的は青森県の32市町村を対象に成年後見制度の現状と課題を明らかにするために実態調査を実施した。1094か所の福祉事業所・施設から返信があった(返信率44.2%)。障害者福祉系事業所と高齢者福祉系事業所とで成年後見制度の利用可能性のある利用者について比較したところ、現状においては高齢者福祉系事業所の利用書のほうが必要性は高いが、将来的には逆転し障害者福祉系事業所の利用者が成年後見制度利用の必要性が増していることが明らかになった。このような状況において福祉系事業所は利用者の権利擁護のために果たすべき役割が明確にあり、成年後見制度利用促進のために、自治体や弁護士会との協議において利用者の側に立った支援が求められている。