論文

基本情報

氏名 佐々木 直美
氏名(カナ) ササキ ナオミ
氏名(英語) SASAKI Naomi

タイトル

不妊治療中の女性が小・中・高等学校に期待する性教育のあり方

単著・共著の区分

共著

誌名

日本生殖心理学会誌

10

2

ページ

6-15

発行年月

202412

著者

佐々木直美・時乗敦子

査読の有無

[査読有り]

記述言語

日本語

概要

不妊治療中の女性が持つ小・中・高等学校での性教育の学習経験と学校での性教育における妊孕性や不妊に関連した知識の必要性について調査を行った。この結果から、小・中・高等学校の性教育のより良いあり方について、探索的に示唆を得ることを目的とした。その結果、小・中・高等学校で受けた性教育においては「男女の体のしくみや体つきの変化」「月経の仕組みと対応」を挙げている者が約7割であった。一方、「家族計画の意義」や「生殖に関わる機能」を挙げている者は1割に満たなかった。また学校での性教育の中で妊孕性や不妊に関連した知識を学ぶことは必要だと思うかという問委に対して、9割以上が「必要」と回答した。必要と考えた理由に関する計量テキスト分析の結果から【ライフプランを早い段階から考える】【自分の身体を知る】【若いうちに知識を持つ】【命の大切さへの理解を深める】【不妊に対する男女両方の理解が必要】【不妊に対する社会全体の理解が必要】【辛い思いをして欲しくない】等13のカテゴリーが得られた。これらのように、早い時期から当事者意識を持って正しい知識を学ぶことが重要であること、そしてそれは個人だけではなく社会も同様であると感じていることが示された。また通常の身体の状態とそうでない状態を知識として知り得ておくことで、必要に応じた受診行動につなげることができる。それには小学校から学ぶ生命の尊重を基盤とし、今の自分の先に将来の自分があることを想像して考え、取り組めるような性教育のあり方を検討していく必要がある。