A大学助産師養成課程の学生12名を対象に、分娩介助実習前、中間(5事例後)、実習後(9又は10事例終了後)の合計3回、「助産師の職業的アイデンティティ尺度」による、縦断的調査を実施した。その結果、分娩介助経験を重ねることにより、「自己の助産師観の確立」の因子において有意に低下した。下項目では「私は助産師として、対象に貢献していきたい」「私は助産師として対象の願いにこたえたいと思っている」の2項目で有意に低下した。分娩経験を重ねることで、自己の課題が明確になることによって、助産師としてのアイデンティティ形成に揺らぎを生じさせる可能性があり、教育的な課題が示唆された。