精神科看護師は複数の不確かさを抱えながら実践をしている。本研究では、不確かさへの対応の方略として“negative capability”という概念に着目する。negative capabilityは「不確かさや懐疑の中にいられる能力」とされるが、明確な定義付けには至っていない。精神科看護師は患者の生活の中で実践をする職業上の特性やリカバリー志向により独自のnegative capabilityが存在すると推察された。本研究では長期入院患者のリカバリー事例についてインタビュー調査を行い、精神科看護師のnegative capabilityの概念構築と獲得プロセスの解明を目指す。