本研究の目的は、研究課題名にあるように、多様化する修学目的に対応する教育プログラム開発ならびに修学支援制度の検討資料を得ることにある。しかし、普通科進学高卒業後の既定路線である大学学部とは異なり、大学院への進学は学生個人の価値判断に大きく委ねられており、また、学生を取り巻く生活環境から様々な制約を受けている。
さらに、家庭生活、職業生活、社会活動等、修了後の生活に対する学習内容の寄与度によって、修学経験に対する評価は主観的に変化するものと思われる。このように、本学大学院が提供してきた教育プログラムや修学支援制度は、学生の中長期的なライフコースに位置づけることで、より正当な評価を得ることができるものと思われる。
このような判断に基づき、本研究では、本学大学院の修了生を対象とし、彼らが、修学期間のみならず修学前期間と修学後期間をも含めた大学院修学体験を包括的に評価できるように、調査項目を設定した。具体的には、①修学前期間(受験支援ニーズ)、②修学期間(修学支援ニーズ)、③修学後期間(学び直し支援ニーズ)、の3つの項目を時系列順に設定し、それぞれ5つ程度の設問を用意した。