本書は、ソーシャルワーカーを目指す学生、専門職を主たる読者に想定して刊行されたケアマネジメントの解説書である。ケアマネジメントの基本的な考え方とともに、それが活用されている領域を紹介している。筆者は、罪を犯した高齢者・障がい者への支援領域におけるケアマネジメントについて、①背景、②実際の流れ、③特徴、④問題点と将来展望の各点を解説した。本領域の特徴として、刑事司法と社会福祉の価値や理念、制度の違いを理解すること、支援対象者が拘禁されていることによって生じる制約に対応すること、犯罪原因論的ニーズを理解して対応することの重要性を挙げた。また、問題点と展望としては、福祉による支援の目的、地域生活定着支援に関連する制度の安定性、社会的排除の各点について論じた。
【担当箇所】「第4章第5節 司法福祉領域におけるケアマネジメント」【12頁(116-127頁)】