本書は、2000年代半ば頃から開始され、近年活発化が進んでいる犯罪をした高齢者・障がい者に対する福祉的支援、司法と福祉の連携の状況について、これまでの展開と現時点での課題を示すことを目的として刊行された。筆者は、理論編第2章において、対人援助ニーズを有する犯罪行為者への福祉による支援の理論的位置づけについて検討した。福祉支援の変遷を確認したうえで、支援の理論的基盤が生活モデルとソーシャルサポートにあることを示し、さらに連携論の問題点について論じた。また、第23章では、全国29ヶ所の地域生活定着支援センターを対象として実施した聞き取り調査の結果の概要を共著でまとめた。
【担当箇所】「第2章 対人援助ニーズを有する犯罪行為者への福祉による支援の理論的位置づけ」(単著)【22頁(25-46頁)】、「第23章 地域生活定着支援センター全国調査結果について」(共著=森久智江、水藤昌彦、木下大生、大塚英理子)【45頁(433-477頁)】