近年の刑事司法と福祉の連携にみるリスクとセキュリティ:福祉機関が司法化するメカニズム
犯罪社会学研究
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47-61
水藤昌彦
本稿の目的は、2000年代半ばから開始され、現在も活発化を続けている刑事司法と福祉の連携による非行•犯罪をした人への対応を題材として、福祉機関の側からみたリスクとセキュリティ(安全の保証策)に関する課題を検討することである。刑事司法と福祉による連携の現状と特徴を確認したうえで、連携開始の契機、刑事司法と福祉のそれぞれからみた連携の目的について検討し、福祉機関の認識するリスクとセキュリティについて考察した。