司法と支援の連携ー国際比較と地域での回復支援の観点からー
法と心理
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水藤昌彦
本稿は、学会シンポジウムでの発言に加筆修正し、オーストラリアと日本における司法と支援の連携の現状を比較し、地域における回復支援に関わる支援機関の課題を指摘した。そのうえで、今後、社会安全のための統制や監視の手段として支援機関が利用されることなく、支援者としての役割を適切に果たしながら連携を推進していくためにという視点から、「治療的司法・正義の実践が、専門職支配による新たな社会統制の仕組みとならないためには何が求められるのか」という問題を提起した。