本稿は、矯正施設を退所した知的障害のある女性に対する地域生活支援の現状、なかでも司法・福祉・医療の連携に着目し、支援枠組みの実態を把握ならびに課題抽出を目的として行った文献調査、アンケート調査、ヒアリング調査の結果を報告したものである。地域生活支援の枠組みでは、①女性が利用できる社会資源が不足している地域、並びに医療との連携が構築されていない地域が一定数あるという実態があり、それらに関連して①社会資源、②司法と福祉の連携、③医療と福祉の連携、④福祉によるアセスメント実践のスキル、の各点に課題があることを指摘した。