本稿では、全国の(旧)知的障害者入所更生施設、(旧)知的障害者入所授産施設における、矯正施設を退所した知的障がい者の地域移行支援の実態と方法を明らかにする目的で行った質問紙調査の結果(n=93, 回収率=58.9%)を報告した。障害者支援施設に入所した者の33%がすでに退所しており、その多くは単身、またはグループホームで生活し、一般就労していた。一方、調査時点で入所中であった67%の人たちの利用者像を明らかにすること、障害者支援施設の意識が地域生活移行に及ぼす影響について検討する必要があることが示された。