本研究は、新型コロナ感染症で小児看護学実習を行った学生の技術の経験・習得状況を明らかにすることを目的として研究を行った。2021年度に小児看護学実習を実施した学生のうち本研究への協力を同意した者48名の実習終了時に提出する「小児看護技術経験表」を研究対象とし、「小児看護技術経験表」の経験結果に記載された経験レベルの自己評価を単純集計し分析した。その結果、108項目のうち、指導監視下あるいは単独で実施できたと回答した学生の割合が9割以上であった項目は19項目で、2017年度の結果の23項目より減少していた。新型コロナ感染症での実習においても指導監視下あるいは単独で実施できたと回答した学生の割合が9割以上であった項目においては、限られた患児や家族との関わる機会をより良いものにするよう、学生の事前の準備への意識も高くなっていた可能性があることが示唆された。今回と2017年度との実習と比較して経験に違いがある項目については、新型コロナ感染症での実習における状況や経験の変化、関わる児や家族の状況の変化にも影響を受けている可能性があることを示唆された。