本研究は、高齢者自身の心身の健康を維持することと、家族と高齢者が良好な関係を保ち続けるための支援法として、聞き手が、認知症との診断を受けていない独居高齢者である親、読み手が中年期の実子という家族間での読み聞かせを2事例に実施した。聞き手である高齢者に関しては、ADLの測定のためBarthel Index、意欲の測定のためVatality index、心理状態の検討のためバウムテストを用いて、実施前、実施後、1か月後の変化を測定した。読み手である中年期の実子に関しては、読み聞かせ後の感想をたずねた。その結果、実施後、1か月後では、聞き手である高齢者のADLと意欲は維持・向上し、バウムテストからは心理的安定性が伺えた。読み手である中年期の実子は、良い聞かせ中のポジティブ感情の喚起や、聞き手に対する肯定的な関心がみられた。こうしたことから、絵本の読み聞かせは、親子間の良好な関係作りにつながる可能性があることが示唆された。