がん患者サロンの傾聴ボランティア5名に実施したインタビューの内容から傾聴ボランティアの活動についてKJ法を用いて検討した。その結果、ボランティアの活動の基盤となっているのは、【がん患者のつらい思いが分かる】であり、それが汲み取れるよう努力を重ねていた。【ボランティアの努力】は【ボランティア自身のがん経験から患者を支えたい気持ち】、【サロンの代表の存在の大きさ】、【ボランティア活動の上での困難感】によって支えられており、【がん患者を尊重する姿勢】と【命に対する考え方や死生観】は相互に影響していた。また、【医療者に対する複雑な思い】を抱いており、医療者に対して患者と寄り添うこと、必要な患者にはサロンの情報提供を行うことを望み、チームで患者を支えたい気持ちを持っていた。さらに【サロンでがん患者が他者と関わることの重要性】を意識しつつ活動を行っていることが示された。