本研究では、有光(2020)によるワークの一つである「自分をハグする」を介入として福祉従事者に実施し、そのワークの継続的な実施にかかる実現可能性と、その効果について予備的検討を行った。対象者(研究参加に同意した者)は17名であった。17名のうち途中で中断を申し出る者はいなかった。対象者の年齢は、62.35(±8.77)歳で、職業は、介護士12名,訪問ヘルパー5名 で、全員、出生時の性別が女性であった。ワークの実現可能性について、ワークは17名全員が3か月継続して実施することができた。セルフ・コンパッション得点は、ベースライン時および1か月後よりも3か月後の方が有意に高かった。ストレス反応の合計得点および身体愁訴は、ベースライン時にくらべて3か月後の方が有意に低かった。このことから、介護職員は、腰痛や身体的負担などがストレスの一つとなっていることから、本研究のようなセルフケア法の導入によって、それらが軽減する可能性が見いだされたと考える。