科研費による研究

基本情報

氏名 佐々木 直美
氏名(カナ) ササキ ナオミ
氏名(英語) SASAKI Naomi

課題名

高齢者の心理的特性と心理学的援助の研究

研究種目

[基盤研究(B)]

研究期間

2003-2005

単独・共同の区分

共同

代表者

上里一郎(広島国際大学人間環境学部教授)

研究分担者

田中秀樹(広島国際大学人間環境学部助教授)・三浦正江(広島国際大学人間環境学部助教授)・中村菜々子(比治山大学現代文化学部講師)・志村ゆず(名城大学人間学部講師)・佐々木直美(広島国際大学人間環境学部講師)

総配分額(千円)

9700

概要

            

研究1.「高齢者の認知と睡眠の特徴と援助の検討」
本研究では、短時間の昼寝と夕方の軽運動によるライフスタイル改善を用いた認知行動的介入(4週間、3回)を不眠熟年者に実施した。4週間の指導後、夜間睡眠の質的な改善が認められ、夕方の覚醒維持が有効に作用したことが確認できた。また、睡眠健康の悪化した高齢者では、睡眠の質的な改善に伴い、有意な精神健康、認知機能、ADL(日常生活動作能力)の改善が認められた。
研究2.「高齢者のストレスの特質と対処法の検討」
1.本研究では,高齢者大学に在籍する589名を対象として,ソーシャルサポート,自尊感情,生活充実感の測定尺度を実施した.分析の結果,ソーシャルサポート授受のいずれも自尊感情や生活充実感と正の相関関係にあった.また,サポート授受のいずれも高い高齢者はいずれも低い高齢者に比べて,自尊感情や生活充実感の得点が高かった.さらに,家族からのサポート受領は少なくサポート提供が多い高齢者は,生活充実感が高かった.
2.高齢者の心理的ストレス関連指標を測定する尺度の作成,(2)ストレスモデルの検討(ストレス反応,ストレッサー,認知的評価,対処,ライフスタイルの関係)を目的として研究を行った。質問紙法による横断調査を実施し,(1)ストレッサー(投稿中),(2)認知的評価(中村・児玉,2003),(3)対処行動(中村・上里,2004),の各尺度を開発し,(4)開発した尺度を用いて,ストレス・モデルを検討した。
研究3.「高齢者に対する回想法の標準化の検討」
質問紙調査から、高齢者が過去・現在・未来について持つ感情は、過去・現在・未来と連続したものであるという結果を得た。そのため、回想法で過去を振り返ることは現在や未来を肯定的に捉えることにつながるという示唆を得た。