本研究の目的は、産婦人科病院・診療所の助産師がどのように「気になる親子」に気づき,情報提供ケースとして確定していくのか,そのプロセスを明らかにすることである。助産師8人を対象としたインタビューで得られたデータを,M-GTAの手法で分析した。プロセスは,助産師が子ども虐待の観察の視点をもったうえで,【援助の中でリスクを探る】ことで,【気になるサインに気づく】。助産師・師長という【担当者が中心となり確認・判断・対応を担う】ことにより,【長期的な子育てを見据え判断する】。【院長という権限者の方針】に沿い結論を出し,本人・家族の【同意のハードルを越える】ことであった。