本研究は、乳幼児虐待の発生予防のために、産科医療施設(総合病院)に勤務する看護職者がどのように「気になる親子」に気づき、情報提供ケースとして確定していくのか、そのプロセスを明らかにすることを目的とした。看護職者25人を対象としたインタビューで得られたデータを、M-GTAの手法で分析した。結果、プロセスは、看護職者が病院を訪れる全ての親子に対し、【多様な場面や方法でリスクを探る】ことで、リスク因子や【気になるサインに気づく】。さらに、継続的に情報を得て【リスク状況を明確にする】。長く続く子育てを認識し、【長期的な視座に立ち子育てを見据える】ことで「気になる親子」として<チームで結論を出す>。最後に【同意のハードルを越える】ことで情報提供ケースと確定する。