論文

基本情報

氏名 矢田 浩紀
氏名(カナ) ヤダ ヒロノリ
氏名(英語) YADA Hironori

タイトル

テキストマイニングを用いた精神看護学実習における学生の学びに関する研究 統合失調症患者、あるいはうつ病患者を受け持った学生のレポートの解析

単著・共著の区分

共著

誌名

帝京大学福岡医療技術学部紀要

17

 

ページ

21-35

発行年月

202203

著者

米元 富貴代, 信太 圭一, 小牧 祥太郎, 矢田 浩紀

査読の有無

[査読有り]

記述言語

日本語

概要

本研究の目的は、精神看護学実習における、統合失調症患者を受け持った学生とうつ病患者を受け持った学生のレポートから、それぞれのグループの学びの特徴と相違点を明らかにし、教育的支援の示唆を得ることである。研究の対象は、A大学の精神看護学実習を履修した学生のうち統合失調症患者とうつ病患者のいずれかを受け持った学生20名のレポートである。レポートの記載文を電子テキスト化し、テキストマイニングによる分析を実施した。レポートの目標は、「精神看護を展開する過程を学ぶ(目標1)」「精神看護における人権擁護と倫理的配慮のあり方について考える(目標2)」「対象者との関わりを通して学生自身の特徴と課題を明らかにする(目標3)」の、3項目である。分析の結果、目標1に関しては、いずれの学生も患者の疾患の特性・個別性を考慮した看護を展開しており、目標として掲げられた要件を満たしていた。目標2については、統合失調症患者を受け持った学生グループでは、隔離室での看護活動を行う場合の、状況に即した倫理的対応について学ぶための教育的支援の必要性が示唆され、また、うつ病患者を受け持った学生グループでは、隔離室での特殊な治療法と人権擁護との相関関係について学ぶための教育的支援の必要性が明らかになった。目標3では、統合失調症患者を受け持った学生グループでは、患者との関わりを通して顕在化した自身の課題を言語化するための教育的支援の必要性が、他方、うつ病患者を受け持った学生グループでは、患者と自己との双方向におけるより良い関係性の構築を目指して状況に応じたコミュニケーション技術を発揮・展開できるようにするための教育的支援の必要性がそれぞれ示唆された。