野菜や果物は抗酸化物質の良い供給源であるが、産地や調理の有無によってその含量は多様であると考えられる。本研究では山口県で栽培されたあぶトマト(トマト)、たまげなす(ナス)、くりまさる(カボチャ)を試料とし、生と調理加工後の抗酸化活性をORAC法(H-ORAC)とDPPH法によって測定した。さらに総ポリフェノール量も測定し、H-ORAC活性、DPPHラジカル捕捉能、総ポリフェノール量のそれぞれの関連を評価した。あぶトマト、たまげなす、くりまさるに対して電気オーブンや電子レンジによる加熱調理を施しても、H-ORAC、DPPH、総ポリフェノール量で評価した抗酸化活性に対して有意な変化を与えなかった。あぶトマトに関しては種子の除去の有無における抗酸化能についても検討したが、影響はなかった。これらのことは、一般に多用される条件下で野菜に加熱調理を施しても、未加熱状態の抗酸化能を維持できることを示唆した。