【目的】ルイボス(<i>Aspalathus linearis</i>)は、南アフリカのセダルバーグ山脈地方のみに生息するマメ科植物である。その葉や茎を発酵させたものを茶として利用するが、グリーンルイボス(GR)は発酵させないルイボスであり、フラボノイドであるアスパラチンを多く含む。本研究では、中程度の運動をマウスに負荷する運動モデルを設定し、GR摂取と運動負荷による糖・脂質代謝への影響を検討した。
【方法】5週齢のC57BL/6J雄性マウス33匹を1週間予備飼育した後、高脂肪食摂取群(HF群)、高脂肪食摂取にトレッドミル走行運動20分負荷群(HF+e群)、高脂肪食+1%グリーンルイボス添加群(HF+1%GR群)、高脂肪食+1%グリーンルイボス添加にトレッドミル走行運動20分負荷群(HF+e+1%GR群)の4群に分け、3週間飼育した。運動負荷群では傾き0度のトレッドミルを用いて、1日1回、速度12m/min、20分間の走行を5日間行い、2日休養させた。飼育期間終了後、5時間絶食させた後解剖し、肝臓重量、副睾丸周囲脂肪組織重量、腸管膜脂肪組織重量、血清トリグリセライド(TG)、血清総コレステロール(TC)、血清遊離脂肪酸、血清ALT・AST活性、肝トリグリセライド(TG)、肝総コレステロール(TC)、肝総脂肪重量を測定した。
【結果】飼育期間終了時の総摂食量に各群間で有意差は見られなかったが、最終体重はHF+e+1%GR群ではHF群と比較し低値を示した。飼育期間中いずれの週及び解剖時ともに空腹時血糖値に群間の差は見られなかった。血清TC、血中遊離脂肪酸に群間の有意差は認められなかったが、血清TGはHF+e+1%GR群においてHF群と比較し低値を示した。肝TCはHF+e+1%GR群において、肝TGはHF+1%GR群、HF+e+1%GR群においてHF群と比較し有意に低値を示した。