本稿の目的は,複数教員がレポート評価を行う授業において用いたルーブリック形式の評価表の導入効果を検証するものである.これは,評価者間及び評価者と被評価者間の合意形成のために用いられた.本学の初年次教育においては,2007年度から2009年度までは複数学科混成でグループを編成し,各教員は担当したグループのレポート評価を行った.2010年度より学部学科別グループ編成に変更したところ,レポート評価の得点率分布に著しい偏りが見られるようになった.そこで,2011年度より,ルーブリック形式のレポート評価表を導入した.年度間比較を行った結果,2011年度のレポート評価点の得点率分布が,2007年度と同程度まで回復したことが明らかになった.