本論文では,双子型自己組織化マップによる音声変換法(本手法)が,骨導マイクロホンを用いた対話型舶用機関運転支援システムの音声入力インタフェース部として使用可能であるかどうかを議論する.この環境で利用される骨導音声は無線伝送されるため,その音質は著しく劣化する.そのため,無線伝送された機関用語20個の音質改善実験を行ったところ,従来のLinde-Buzo-Gray(LBG)アルゴリズムのベクトル量子化を用いた音声変換法の客観評価(量子化ひずみ)に比べて,本手法の客観評価が優れていることが確認できた.また,男性と女性どちらの話者でも,変換後の骨導音声とそれに対応する気導音声間の量子化ひずみが変換前と比べて,20単語と100単語のときそれぞれ約70%と50%の改善が見られた.