施設高齢者の安静時エネルギー消費量実測と推定式の考案

日本病態栄養学会誌

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339-347

加藤元士, 畔津忠博, 佐々木亜希, 岡田夏美, 濵﨑加奈子, 岩脇敏子, 田中恵子, 三隅裕恵, 長坂祐二

特別養護老人施設の入所者を対象に，施設高齢者における推定エネルギー必要量（EER）の算出方法について検討した．まず，対象者を活動量の違いにより，活動係数1.1，1.2，1.3群に分類した．そして,安静時エネルギー消費量(REE)実測（実測REE）により求めたEERと，Harris-Benedict式（HB式）および日本人のための簡易式（簡易式）の各推定式を用いて求めたEERとを比較したところ，簡易式において，1.1，1.2群で有意に高い値を示すなど実測REEと各推定式との間に相違が見られた．次に，実測REEを従属変数，身体状況，身体測定値および血液生化学検査値を独立変数とする重回帰分析を行い，実測REEを最もよく説明する変数の組み合わせを調べた．以上の結果をもとに，体重と活動係数を変数とする数量化Ⅰ類に基づく，施設高齢者に適する個々人のREEを求めるための推定式を作成したところ，簡易式と比較して相関係数，RMSEともに良い結果を示し，HB式と比較して相関係数は高く，RMSEは同等の結果を示した．