「日本語表現学」の授業では、他者との相互作用によって分野横断的知識を集約し、自身やグループの判断を論理的に組み立てて表現することを目指している。本稿の目的は、当該授業のなかで、学習者が多面的・総合的視点を獲得するためには、レポート課題をどのようにデザインすべきかについて考察することである。授業では、「ジグソー法」と呼ばれる協調学習の型が用いられる。ジグソー法の型において、知識を交換し、折り合いを付けながら討論を行うことで、知識の集約のレベルが、「集合」「結束」「融合」と深化する。知識集約のレベルを「融合」にまで到達させて、そこから新しいアイデアを創発し、次の学びへと発展させることができるように、レポート課題をデザインする必要がある。