クリティカル・シンキングは、物事を鵜呑みにしないで考えるという認知スキルおよび非認知スキルのことであり、学士課程教育においても、段階的に向上させていく必要がある。
従来の初年次教育においては、大学での学習の基礎となるレポートの書き方、プレゼンテーションの方法などのスタディ・スキルの修得や、コミュニケーション力を育成することが重視されてきた。そこへ、クリティカル・シンキング等の思考力の育成を同時に組み込むことも可能ではなかろうか。賛否の分かちがたいテーマを設定し、賛否の両面について、学生に資料を収集させ、主張の強さについて読み解かせることで、資料収集のスキルとともに、クリティカル・シンキングも同時に涵養することができる。
学生にクリティカル・シンキングを身につけさせるためには、その基準を伝えるだけでなく、その基準によって他者や自己の取組を評価させることが有用である。本ワークショップでは、クリティカル・シンキングのルーブリックを示し、参加者が賛否両論型のテーマについて学生の立場となって根拠に基づいて主張し、ルーブリックに基づく他者評価・自己評価を行うことで、クリティカル・シンキングを涵養する方法をご体験いただく。