新型コロナウィルスの蔓延のため、大学では海外との交流プログラムの見直しを求められ、コロナ禍での新しい国際理解・国際交流教育のあり方についての模索が続いている。今日のグローバル社会において世界市民として必要なコンピテンシーを育成するには、異文化理解や異なるものへの柔軟性、コミュニケーションスキルなどを育てる教育プログラムが必要である。
本稿では、海外派遣・受け入れによる授業活動の代替えとして急速に注目を集めるオンライン留学を視野に入れつつ、オンライン上での協働授業(COIL:Collaborative Online International Learning)に焦点を当て、本学がアメリカの2つの大学と行った2科目について報告する。そこで、主観的な学生アンケートに加え、客観的な評価方法としてBEVI-Jを用いて授業開始前と終了後の国際的な視点や態度の変化をみようと試みた。
学生のコメントではCOILに対して肯定的な意見が数多くみられ、BEVI-Jのいくつかの尺度においても数値が向上する傾向がみられたものの、より詳細な検証が必要である。継続的なBEVI-Jの実施により、実際に海外派遣プログラムに参加した学生や参加していない学生、COILやその他のオンライン留学に参加した学生などの比較を行っていきたい。