学会発表(口頭発表・ポスター)

基本情報

氏名 岩中 貴裕
氏名(カナ) イワナカ タカヒロ
氏名(英語) IWANAKA Takahiro

タイトル

オンライン授業で受講生の言語学習観を変容させることはできるのか?-受講生同士によるインタラクション機会の創出-

会議名

第30回 広島大学外国語教育研究センター 外国語教育研究集会

主催者(学会名等)

広島大学外国語教育研究センター

開催場所

オンライン

開催年月日

2022/03/04

単独・共同の区分

単独

発表者

折本素(愛媛大学)・岩中貴裕(山口県立大学)・尊田望(山口大学)・阪上辰也(広島大学)

記述言語

日本語

会議種別

シンポジウム・ワークショップ パネル(指名)

概要

オンラインでの授業も2年目に入った。手探り状態で日々の授業を何とか行っていた昨年と比べると,2年目に入った今年は教育効果を考慮した上で授業を行うことができるようになった教員が増えたのではないだろうか。発表者は対面で行う授業においては,受講生が体験的学習観を持つことを促すような指導を実施している。体験的学習観を持つ学習者は分析的学習観を持つ学習者と比較すると,より多くのインプットに触れ,インタラクションとアウトプットの機会が増えると考えられる。Ogawa and Izumi (2015) は学習観,好んで用いる学習方法,英語力,英語に対する自信度の関係について以下のように報告している。

  • 英語力の低い学生は,分析的学習観を強く持ち,一方,英語力の高い学生は,体験的学習観を強く持つ傾向がみられた。
  • 英語力の高い学生も低い学生も,分析的学習は同程度の頻度で行っていたが,体験的学習においては,英語力の高い学生の方が低い学生よりもより多く行っていることが確認された。
  • 体験的学習を多く行ってきた学生の方が少ない学生よりも,自分の現在の英語力に対して自信度が高くなることが認められた。

 本授業実践では,オンライン授業において受講生の言語学習観(beliefs about language learning)を変容させることを試みた。受講者数は62名で英語力はCEFRの基準でA2~B1程度であった。半年間以上の留学経験や日常的に英語を使用する機会のある者は含まれていない。教育的介入によって,受講生が体験的学習観を持つように働きかけた。対面で行う授業と比較すると様々な制約はあるが,半期の授業(15回)を通して受講生の言語学習観を望ましいものへと変容することが可能であることが確認できた。その取り組みを紹介する。

引用文
Ogawa, E. & Izumi, S. (2015) Belief, strategy use, and confidence in L2 abilities of EFL  learners at different levels of L2 proficiency. JACET Journal, 59, 1-18.