山口県内の生活保護ケースワーカーの週間業務日誌を分析し、生活保護法及び社会福祉法に規定された業務と比較検討を行った結果、生活保護ケースワーカーは、被保護者との「面接」を基本としつつ、「調査」から得られた情報を根拠に国民の生存権の具現化である生活保護実施の可否を決定するという高度な「判断」を要する責任の重い業務を担っていることを明らかにした。
さらに、生活保護ケースワーカーの業務遂行にあたっての裁量は、最低生活の保障に関しては、法定受託事務であり「法適用の裁量」の余地はないものの、自立の助長に関しては、福祉事務所の実態に合わせた自立支援プログラムを実施していることなどから裁量を有していることを明らかにした。また、「エネルギー振り分けの裁量」に関しては、開始及び変更の申請があった場合には、決定までの時間的制約があることから裁量の余地はないものの、継続世帯への訪問については、年間及び月間予定を立てたうえで計画的に実施していることから生活保護ケースワーカーに裁量が与えられていることを明らかにした。