豆加工品の中でも豆麹は蒸煮大豆に麹菌を繁殖させ製造したものであり、味噌や醤油の原料として使用されている。大豆加工品には血圧抑制活性の指標とされるアンジオテンシンⅠ変換酵素(ACE)阻害活性や抗酸化作用の指標とされる DPPH ラジカル消去活性があると報告されている。そこで本報では、タンパク質含有率が中程度の品種であるタチナガハおよびタンパク質含有率が高い品種であるサチユタカの2 種類の大豆を用いて豆麹を作製し、大豆の品種差異が豆麹のACE 阻害活性、およびDPPH ラジカル消去活性に与える影響について比較検討した。その結果、予想に反してサチユタカ由来の豆麹よりタチナガハから作製した豆麹のACE 阻害活性が高かった。また、タチナガハから作製した豆麹の DPPH ラジカル消去活性よりもサチユタカ豆麹の活性のほうがより高かった。