昆虫の外観や独特な風味は食品として利用の障壁となる。昆虫特有の風味成分に関する報告は非常に少なく、また、昆虫食材が持つ生理機能性に関する知見も少ない。
そこで本研究の目的は、昆虫食材の呈味成分および香気成分に関する基礎的な特徴づけを行い、調理後においてどのような成分が風味に影響を与えているのかを解き明かすこととする。加えて、血圧上昇抑制活性の指標とされるアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害活性を評価し、生理機能性に関する知見を得ることも研究目的とする。
昆虫食材の嗜好性を改善する方法を見出し、さらに生理機能性に着目して昆虫食材の付加価値を高めることで、昆虫食材の利用拡大の促進を期待できる。