大学初年次学生の「協同作業認識尺度」(長濱・安永・関田・甲原, 2009)を入学当初から学年末にかけて継続して測定し,先行研究と一貫した結果が得られるか否か検証した。協同作業認識尺度の3つの下位得点は入学当初から学年末にかけて,概ね良好な値で維持されていた。下位得点の関係についても,先行研究とほぼ一致しており,協同効用が個人志向,互恵懸念に影響を与える関係は本研究でも維持されていた。また,学期末アンケート調査への非協力的な反応を予測する要因があるか否かを検討したところ,入学当初の協同作業認識尺度の得点から学期末の非協同的な反応を予測することはできなかった。