子どもの頃の食に関する経験が大学生の食生活に与える影響
山口県立大学学術情報 〔大学院論集 〕
第 12 号 〔大学院論集 通巻第 20 号〕
105-114
井上寿美香, 片山久美子, 陳 暁倩, 中村幸一郎, 金子 祐大, 齋藤すが代, 戸川 桂一, 森重 恵介, 森本 陽子, 草平 武志, 吉村 耕一, 人見 英里
研究では、大学生の食生活の現状とともに、子どもの頃の食に関する経験と大学生の現在の食生活との関連性を明らかにするため、食に関する専門教育を受けていない大学生296名を対象に、子どもの頃の食に関する経験と現在の食生活に関する質問紙調査を行った。現在の食事摂取状況では、朝食だけでなく夕食の欠食者も見られたが、一方で食事に対する良い行動を心がけている者も多く見られた。また、一人暮らしの大学生において、昼食と夜食について、子どもの頃の摂取状況が現在の食事摂取状況に影響を与えており、子どもの頃に食育を受けた記憶がある者では、現在もその食育が役立っていると感じていた。以上のことから、大学生の食習慣の適正化のためには、現状の食習慣を見直すだけではなく、子どもの頃の食習慣や食育が重要であると考えられた。