本稿の目的は、2022年度から開始した基盤教育のカリキュラム設計や総括的なアセスメント科目として置いた「やまぐち未来デザインプロジェクト」の授業設計の考え方を示すことである。
本学では、従来、いわゆる「テーマ型」でカリキュラムを設計してきた。しかしながら、予測不可能な時代の到来に伴い、社会や設置者が大学教育に求める資質・能力の内容や性質が変化している。そのため、求められる資質・能力を人材育成目標に据えて、いわゆる逆向き設計の「コンピテンシー型」で新しい基盤教育のカリキュラムを設計することにした。
「やまぐち未来デザインプロジェクト」では、学生は、前期に身に付けた多様な知識を集約しながら、後期には全学科混成のジグソー・チームを編成し、デザイン思考のプロセスを踏まえて、地域社会の課題解決を志向するアイデアを創発した。学修成果の可視化には、ルーブリック形式の評価表を用いた。