トウキ(Angelica acutiloba)はセリ科の植物で、根を乾燥させたものは古くから生薬として用いられてきた。トウキの根には高血圧抑制活性の指標とされるアンジオテンシンⅠ変換酵素(ACE)阻害活性があると報告されている。大野らは、従来使用されずに廃棄されていた葉部や茎部分にも ACE 阻害活性が存在することをすでに報告した。しかし、トウキに含まれている ACE 阻害活性がどのような物質に由来するかは不明である。そこで本研究では、山口県産トウキ葉部中の ACE 阻害活性に関与している物質を明らかにすることを目的として成分分析を行った。その結果、山口県産トウキ葉部中の ACE 阻害活性物質はニコチアナミンであると考えられる。